3月上演バランシン作品
今回のブログでは、3月公演上演作品の「セレナーデ」と「ウェスタン・シンフォニー」についてご紹介します。
どちらも、20世紀を代表する偉大な振付家ジョージ・バランシンによる名作です。
今回9年ぶりの上演となるのが「セレナーデ」。SDBで初めて上演されたのは1983年です。
この時出演していたSDB総監督の小山久美に当時のことについて聞いたところ、特に思い出深いシーンがあるそう。
ポワントでアラベスクをキープした女性を、その下に座っている男性が太ももを持ってゆっくり回す、という振付があります。
高度なバランス力が求められ難易度の高いこの振付。最初は全くできず、一度は役を降ろされたといいます(!)。猛特訓し、再び役を得て舞台を迎えることになりましたが、この経験をきっかけに、当時指導のため来日していたメリッサ・ヘイドン女史のもとで学びたいと渡米を決意したとのこと。
今は亡き師匠であるメリッサから、「ステップを覚えるだけでなく振付家の精神を表現しなければならない」と学んだことは、その後のダンサー人生において大きな財産になったと話します。
バランシンが渡米後はじめて振り付けたことでも知られる本作。チャイコフスキーの美しい音楽によるこのバレエは「見る音楽」ともいわれ、バランシン・バレエの代表作として各国のバレエ団でも上演されています。
もうひとつは「ウェスタン・シンフォニー」。19世紀開拓時代の米国西部の町を舞台に、カウボーイやダンスホールで働く女たちを描いた陽気なバレエ作品です。
SDB創設者の故・太刀川瑠璃子は、とにかく“楽しい”バレエをやりたい、と1991年にバレエ団で初めて上演しました。今度は5年ぶり、9回目の上演となります。
ダンサーたちの息づかいが伝わるパワフルな作品「N.N.N.N」
水色の長いチュールのスカートをなびかせながら美しい音楽と共にロマンティックに舞う「セレナーデ」
西部劇をそのままバレエにしたような躍動感のある「ウェスタン・シンフォニー」
バランシンとフォーサイスの名作を一度にお楽しみいただける3月公演。近現代バレエの傑作をご堪能ください!
3月公演情報はこちらから!