Q&A 〈トゥシューズ/渡辺恭子〉
クラシックバレエを踊る上で欠かせないトゥシューズ。
お気に入りのブランドは?長持ちさせるための工夫は?
12月公演「くるみ割り人形」でクララを演じる渡辺恭子に聞いてみました。
トゥシューズを履き始めたのは何歳の時ですか?
小学3年生の時です。
現在はどこのメーカーのトゥシューズを履いていますか?
愛用していたメーカーさんが廃盤になってからは、ブロックのセレナーデを履いています。
特別なエピソードなどあれば教えて下さい。
履き始めた頃は元々足が強かったようで、割とすんなり履いて踊っていました。
初めてマメが出来た時は石ころが入ってるんだと思って(笑)、
何度もシューズの中を探しているうちにようやくこれがマメなんだと知りました。
シューズを脱いでみたら足先が真っ赤になっていて、
よく見てみると自分の爪が割れて指に突き刺さっているなんてこともありました。
痛かった訳ではなく、まさかこんな状態になっているとは思わなかったので脱いだ時は驚きました。
リハーサル期間中は月に何足くらいのトゥシューズを使いますか?また本番用は何足くらい用意しますか?
作品や気候によりけりです。
グラン・パ・ド・ドゥの練習が増えてくれば、1回のリハーサルでかなり柔らかくなってしまいます。
リハーサル期間は何足トゥシューズを縫っているのか数え切れません。
次の「くるみ割り人形」は2日間クララを踊る事を考えると
1幕に2足、2幕に3足、それに加え、ゲネプロや予備用にプラス2足くらいになるのでは、と思っています。
踊りやすいように何か工夫をしていることはありますか?
以前は中生地を切ったり、その切り方にもこだわっていました。
しかし綺麗に見える代わりに早くつぶれてしまうので、今はいっさい切っていません。少しでも長持ちさせたい思いからです。
必ずやっているのはトゥシューズの爪先をかがることです。
海外で踊っていたときは必須だったので今や習慣なのですが、壊れ方が違うと思ってやっています。
トゥシューズをこれから履く小さなバレエダンサーたちにアドバイスがあれば教えて下さい。
きっとトゥシューズに憧れてバレエを始めているダンサーは多いと思います。
でも決して焦らず、きちんと足の骨格が成長して正しい筋肉がついてから履いて欲しいです。
正しいトレーニングをしてから履くのが上達への一番の近道だと思います!
ダンサーの活躍の裏には、文字通り「血のにじむような努力」(?)や長年の経験で培ったオリジナルの工夫があるのですね。
さて、次回ブログではSDBならではの「くるみ割り人形」の魅力を個性的な登場キャラクターに着目してお伝えする予定です。お楽しみに!
渡辺恭子は12月23日(金)、25日(日)の2公演でクララを演じます。 12月公演「くるみ割り人形」全2幕