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「N.N.N.N.」の上演に至るまで

3月に行われるスターダンサーズ・バレエ団の次回公演は、前回の「くるみ割り人形」からガラっと印象を変え、近現代バレエの傑作3作品を上演します。

その中でも特に注目すべきが、現代バレエ界の巨匠ウィリアム・フォーサイスによって振りつけられた「N.N.N.N.」。
SDBは日本のバレエ団として初めて、この「N.N.N.N.」を上演することになりました。
今回は、この上演が決まるまでの経緯をご紹介します。

始まりは、2004年にさかのぼります。フォーサイス率いるフランクフルトバレエ団(※)の代表作であった同作品が日本で上演されました。スターダンサーズ・バレエ団総監督の小山久美はそれを鑑賞し、大きな衝撃を受けたのです。

“これは是非やりたい”

そんな想いを温め続けていたところ、2012年のSDB公演でフォーサイス作品を上演することになり、ぜひ「N.N.N.N.」を、と振付家フォーサイスに直接交渉したそうです。
しかし、答えは「NO」。

ザ・フォーサイス・カンパニー(元フランクフルトバレエ団)だけが上演できる作品にしたい、という振付家の意向で、結果2012年の公演では「ステップテクスト」を上演することになったのでした。

※フランクフルトバレエ団は2004年に解散し、ザ・フォーサイス・カンパニー(The Forsythe Company)として活動を開始。新たに多くの業績を残しましたが、11年の月日を経て2015年にその活動の幕を閉じました。

 

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「ステップテクスト」林ゆりえ、川島治(SDB公演、2012年)

 

しかし諦めきれず、ザ・フォーサイス・カンパニーが解散した2015年に再び交渉。
ようやく「YES」の返答を得て、今回の上演が実現することになったのです。

4人の男性ダンサーによる「N.N.N.N.」。
ダンサーたちの息づかいが伝わるパワフルな作品ですが、この作品を構成するのは「振り」というよりは、動きの中やそして作品のベースに感じる「気」「想像力」や「コミニュケーション」であるようにも感じられます。観る人の感性を揺さぶるような、そんな鑑賞体験が待っているのかもしれません。

総監督小山が受けたような衝撃を、今度はSDBが皆さまにお届けできるように!3月の本番まで、熱い稽古が続きます!

 

「バランシンからフォーサイスへ~近代・現代バレエ傑作集~」
3月25日(土)、26日(日)東京芸術劇場プレイハウス
公演の詳細とチケット情報は、HP公演ページにて
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