ダンサーに聞くバランシン作品の魅力
いよいよ今月末に迫った3月公演。
スタジオでは、バランシン・トラストから派遣された指導者ベン・ヒューズさんによるリハーサルが続いています。
ベンさんの指導は毎回真剣勝負。
いつ役を降ろされるか分からない、逆に言えば、いつチャンスが巡ってくるか分からないリハーサルはとても緊張感があります。
SDBでは「セレナーデ」は9年ぶり、「ウェスタン・シンフォニー」は5年ぶりの上演となるため、バランシン作品に初めて挑戦するダンサーも多数。
リハーサルでは、先輩ダンサーが若手をリードし、支えている様子もみられます。
今回のブログでは、バランシン作品へこれまで多数出演している岩崎祥子と、初めて「ウェスタン・シンフォニー」を踊る加地暢文のふたりに、バランシン作品の難しさや魅力について話を聞きました。
◆Interview 岩崎 祥子
岩崎祥子 Sachiko Iwasaki 2001年入団。これまで「ウェスタン・シンフォニー」、「セレナーデ」、「スコッチ・シンフォニー」、「フォー・テンペラメント」と多数のバランシン作品に出演。
バランシン作品の魅力は?
男性と同じくらいの身体の強さが求められます。身体の内側から音楽が聞こえるような、音と一体化した振り付けがとても魅力的なのですが、それが難しいところでもあります。
バランシン作品をこれまで踊ってきた中で、特別な思い出はありますか?
「セレナーデ」は、SDBに入りたいと思うきっかけとなった大好きな作品のひとつです。前回踊ったときは、リハーサル期間から本番まで作品の世界観の中にいられたことがとても幸せでした。
2003年に出演した「フォーテンペラメント」では、ベンさんと一緒に舞台に立ったのですが、一歩足を出したり手を動かすだけでも、その大きく伸びやかな動きに圧倒されました。どうやったらそのような表現ができるのか、レッスンの時から必死にみていたのを覚えています。
バランシン作品のリハーサルはいかがですか?
ベンさんのリハーサルは、作品が好きでより良いものにしようとされているのが感じられます。大変な部分もありますが、集中して取り組みたいです。
後輩ダンサーに向けて、バランシン作品に取り組む上でのアドバイスはありますか?
たくさんのことを学んで、自分の財産にするチャンスだと思うので、「ベンさんの言葉を一言も逃さない!」というくらいの気持ちでリハーサルに臨んでほしいなと思っています。
◆Interview 加地 暢文
加地暢文 Nobufumi Kaji 2012年入団。バランシン作品は、NHKバレエの饗宴2014にて「スコッチ・シンフォニー」に出演。
今回初めて「ウェスタン・シンフォニー」を踊りますね。
踊ったことのある友人からとても楽しい作品だと聞いていたので、入団当初から早く踊ってみたいと心待ちにしていました。
「ウェスタン・シンフォニー」の難しさは?
実際にリハーサルが始まって感じたのは、想像以上にハードな演目だということです。体力的なことはもちろん、踊る上でのエネルギーの発し方が古典作品とは少し違うなと感じました。
アメリカ西部のカウボーイという珍しい役どころを演じますね
自分のキャラクターからもちょっと遠いあまり馴染みのない役なのですが、ベンさんからニュアンスを聞いたり、彼の手本を見せてもらったり、色々とヒントをいただいています。本番まで、役への理解を深めていきたいと思っています。
「セレナーデ」はどのような作品ですか?
女性がメインですが、僕はとても好きな作品です。なんと言っても、ダンサーひとりひとりが音符になって互いに作用し合い、音楽が踊りで構成されていくような振付が観ていてとても心地良いです。3月公演では、「ウェスタン・シンフォニー」と「セレナーデ」というテイストの異なる2作品を楽しんでいただけたら嬉しいです!
ありがとうございました!
本番まで、熱いリハーサルが続きます。
チケット情報は、3月公演ページにて!