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ドラゴンクエスト製作現場から

前回のブログでご紹介したとおり、この春のバレエ「ドラゴンクエスト(DQ)」では装置と衣装を一新します。バレエ版DQをいつか世界に輸出したい、というバレエ団の大きな夢への一歩として、初演から20年が経ち古くなってしまった舞台美術のリニューアルを決めました。

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打ち合わせ中のディック・バードと鈴木稔。

舞台美術を手掛けるディック・バードさんは英国ロンドン在住のデザイナー。バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の「アラジン」をはじめ、ロイヤル・オペラ・ハウス、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、スコティッシュ・オペラ、ニューヨークのメトロポリタン・オペラなど、世界の名だたるカンパニーや劇場でご活躍されています。2015年には英国内の劇場芸術分野で優れた功績を残したデザイナーに贈られる栄誉ある賞(the UK Theatre Awards Best Design)を受賞しています。

スターダンサーズ・バレエ団とは、2012年の「くるみ割り人形」以来のお付き合い。バレエ団の想いを形にしてくれる信頼できるパートナーです。

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ディックによるデザイン画

それからもうひと方、ディックが描くデザインを実際に作り上げる製作チームのロバート・アルソップ(Robert Allsopp)さん。

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兵士のヘルメットを試着するロバート

ロバートさんは、主にモンスターや動物のマスク製作で映画やテレビなどに引っ張りだこの職人です。携わった映画は、「ハムレット(1996)」「ノッティングヒルの恋人(1999)」「X-MEN(2000)」「グラディエーター(2000)」「ロビンフッド(2010)」など、有名作品が名を連ねます。

鈴木稔版「くるみ割り人形」のネズミのマスクを作ったのも彼。悪さをするけど憎めない、そんなネズミを作ってくださいました。

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2016年「くるみ割り人形」より

さて、ここでバレエDQに登場する新しいモンスターのひとつ(1匹?)を一足早く発表しましょう!

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ロンドンのアトリエにて。

ホースやパイプから進化したようなモンスター。実はこれで完成形ではく、あと2体のモンスターが合体する分身型のモンスターになります。

ところで、ダンサーはモンスターの中でどのようになっているのか気になりませんか?こちらの初期のラフ画を例にみてみると、右の図では中のダンサーがどのような体勢になるのかが描かれています。バレエの衣裳デザインは、見た目の素晴らしさだけでなく、ダンサーの動きやすさも考えながら設計されているのです。

 

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鈴木稔が描いた初期のラフ画

とはいうものの、大きなコスチュームを着て踊るのは至難の業!モンスターを演じるダンサーは、狭い視界と重いコスチュームの負荷と戦いながら踊らなくてはなりません。

このほかにも、衣裳や装置に様々な仕掛けを用意しています。
上演中は、くれぐれも舞台から目を離さないように!

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