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「緑のテーブル」キャストインタビュー【1】

◆死(Death)
池田武志

 

死(2005年公演より)

 

Q1. キャスティングが決まったときの気持ちを聞かせてください。

元々この演目にバレエ団が取り組むのを知った時から『死』という役を演じたいと願っていたので、選んでいただいた時は嬉しさと今後のリハへの楽しみと…とにかく高揚感で溢れかえったことを覚えています。

 

Q2. 今回演じる役はどのような役ですか?

死は、どんな身分、どんな性格、どんな人種の人間にも等しく関わる平等な存在でありながら、人それぞれの捉え方によって印象が全く変わってくる不思議な存在です。その死という概念を演じるにあたり、難しいと同時におもしろいのは、いま目の前にいるその人が自分をどう捉えてるのかを考えながら踊り、それにより自分自身が表情を変えぬままに変幻していく様子です。だからこそ表情以外の表現法を見つけることが重要であり、新鮮な毎日を過ごしています。

 

 

Q3. ジャネットさん、クラウディオさんとのリハーサルで印象に残っていることはありますか?

今回指導に来てくださってるジャネットさんとクラウディオさんからはとにかくこの作品を守るという強い決意と情熱が感じられます。ダンサーに対する細かすぎるまでの注意も印象的ながら、2人がお互いに振付に対しての意見を熱く投げかけ合う姿は我々にとっても刺激的です。

 

Q4. 今度の公演には「緑のテーブル」を初めて観る方が多くいらっしゃると思います。どのようなところに注目してほしいですか?

この作品はどの場面がどのようにおもしろかったということが大切なのではなく、この作品をすべて観た後にどんな感情がお客様一人一人のなかにあるのかが肝心であり、必ずその何かしらの感情を与えてくれるだけの名作です。
もちろん、それぞれの場面を切り取っても素晴らしい演目ですが、ぜひ全体を通したメッセージを映画を観るかのようにお客様独自の解釈で感じていただきたいです。

 

 

Q5. 公演に向けて意気込みを聞かせてください。

今回のこの大役は今後の自分のダンサー人生において大切なポイントになると思います。この「緑のテーブル」が戦争下での様々な人たちの生き様を描いてるように、それを演じる同じバレエ団のダンサーみんなそれぞれの生き様もしっかり感じながら、それに色々な形で寄り添う変幻自在で支配的…そして不敵で不気味でもある『死』という役を精一杯努めさせていただこうと思います!

 


◆若い娘(The Young Girl)
荒蒔礼子

 

若い娘(2005年公演より)

 

Q1. キャスティングが決まったときの気持ちを聞かせてください。

「緑のテーブル」のリハーサルが始まる前、他のバレエ団が上演した動画を見て、「The Young Girl」を踊ってみたいと思いました。リハーサルを重ねながらキャストが決まっていき、とても嬉しかったです。

 

Q2. 今回演じる役はどのような役ですか?

戦争を題材としたこの作品のなかで、私が演じる「若い娘」という役柄はきっと一番の弱者であると思います。
婚約者は戦地へ行き、故郷は焼け、そして売春宿へと売られ。若く希望いっぱいのはずの未来はなく、儚げに散っていく。役柄について考えれば考えるほど、やるせなく悲しい気持ちになります。彼女の力では変えることのできない世の中で、時に“死”が唯一の救いなのではとも。これからもっと役を研究し、それを踊りとして語ることができるようにしていきたいです。

 

 

Q3. ジャネットさん、クラウディオさんとのリハーサルで印象に残っていることはありますか?

お二人のリハーサルは、細部にわたり丁寧な指導が入ります。動きのひとつひとつに意味があり、カウントがあり、それをしっかり身体に覚え込ませるのはなかなか大変ですが、妥協をせず常に上を目指すリハーサルはとてもやりがいがあります。クルト・ヨースから受け継がれた作品を情熱をもって指導いただけること、本当に貴重な時間です。

 

 

Q4. 今度の公演には「緑のテーブル」を初めて観る方が多くいらっしゃると思います。どのようなところに注目してほしいですか?

注目してほしいところは全部です!!ひとつの作品を通して、何を感じるのか、どう解釈するのか。それぞれあるかと思いますが、平和について改めて考えるきっかけになればと思います。バレエの舞台を通して、その大切な題材を訴えることができるのは幸せなことです。

 

Q5. 公演に向けて意気込みを聞かせてください。

残りのリハーサルを通してより役を深めてきいたいです。本当に素晴らしい作品なので、たくさんの方に観ていただき、何か心を動かすことができればと思います。

 


◆女(The Woman)
フルフォード佳林

 

女(2005年公演より)

 

Q1. キャスティングが決まったときの気持ちを聞かせてください。

まさか自分が、という驚きが一番大きかったです。もちろん喜びもありましたが、それと同時に、この作品の一部に加えていただけるということに畏れのような感情も抱きました。

 

Q2. 今回演じる役はどのような役ですか?

作品の始めは夫を戦場に送り出す妻であり、その後「パルチザン」として自身も戦う強い女性です。力強い振付の中に時折覗く心細さや弱さ、そして死を受け入れつつもなお生きたいと思う気持ち。振付が雄弁に語るからこそ、余計な脚色をせずにストレートにお伝えするというのが私の務めであり、それが難しさだと思います。

 

 

Q3. ジャネットさん、クラウディオさんとのリハーサルで印象に残っていることはありますか?

リハーサル中に何度「NO」と言われたかわからないくらい、細かく注意が入りました。それだけ正しく作品を伝えたいという想いをお二方から感じましたし、その熱意がより一層こちらのモチベーションを上げてくださいました。厳しさだけでなく、愛情を持ってダンサーを指導してくださっているように感じます。

 

Q4. 今度の公演には「緑のテーブル」を初めて観る方が多くいらっしゃると思います。どのようなところに注目してほしいですか?

なんの前情報も無くとも、作品の伝えたいメッセージは皆さんに感じていただけると思います。名作と言われるこの作品の持つ独特な空気感を、お客様と共有できたらと思います。

 

 

Q5. 公演に向けて意気込みを聞かせてください。

リハーサルを何度しても慣れるということがないので、本番はどれだけの緊張感が襲ってくるのか想像もつきませんが、この貴重な機会を無駄にせず、精一杯作品と向き合っていきたいと思います。

 

 


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