「シンデレラ」キャストQ&A(1)
5月11日に義姉妹を演じる喜入依里&松本実湖と、両日仙女を演じる角屋みづきのQ&Aをお届けします!
佐藤万里絵&西原友衣菜(5/12・義姉妹)のQ&Aはこちらから
キャスティングを知った時の気持ちを聞かせてください。
松本 初めて鈴木稔版「シンデレラ」を観たときから演じてみたいと思っていた役でした。姉妹を演じる先輩たちを見て、自分が姉妹だったらと妄想だけはできていたので(笑)とても嬉しかったです。
喜入 姉妹役は学校公演ではやらせていただいていたのですが、全幕版では初めてのキャスティングとなるので、とても不安でしたが楽しめるように頑張りたいと思いました。
角屋 今まで学校公演や日本フィル夏休みコンサートなどでは仙女をやらせていただいていましたが、本公演の仙女は今回が初めてとなります。前回役をいただいた時に怪我で降板してしまったこともあり、とても嬉しかったです。
それぞれ演じる役や役作りについて教えてください。
松本 ご存知の通りシンデレラをこき使い意地悪をする姉妹の役です。あらゆる手段で王子様との接触を狙っているマヌケな役でもあります。
とにかく感情の変化が激しい役なので必死です。継母や姉妹、周りにいる人をよく見て素直な反応ができるように一度間を置くことを意識しています。
役作りの参考に、アニメや映画を見たり人間観察をしてちょっとマヌケな人あるあるを探したりもしています(笑)
喜入 私の演じる役は、歳の差のあまりないちょっと天然な妹がいて、自分自身もわがままに自由に育った姉というイメージです。義姉妹と継母が本当の親子に見えるように、呼吸やタイミングを合わせるために2人の存在をすごく意識しながら取り組んでいます。まずは妹、母との関係性を築いて、それからシンデレラや王子に対するリアクションや気持ちの変化などをしっかり見せられるよう深めていきたいです。
角屋 仙女は、シンデレラに魔法をかけてあげる妖精です。仙女の手にかかればなんでもできてしまうんだと思ったら楽しいのですが、シンデレラの優しさを確かめるようにお家を訪ねたり、魔法は12時にとけるのだと制限をつけたり・・・どこかシンデレラを試しつつもそれを乗り越えることまでも知っている仙女の考えって知的で奥が深いなと。すべてをわかった上で王子と結ばれるように事を運ぶ仙女は、誰よりも寛大な心を持っているのではないかなと思って演じています。
演じるにあたり一緒に踊る姉妹、母、シンデレラ役などのダンサーと話し合ったりするのですか?
松本 姉妹を一緒に演じる依里ちゃんや継母の萌美ちゃんも初役なので、役としてはイジメる立場ですがシンデレラを演じる恭子さんのことをとても頼りにしていて、細かい立ち位置や実際に動いた感覚と見え方の違いなどたくさんアドバイスをいただいています。もちろん依里ちゃんや萌美ちゃんともそれぞれのキャラクターやタイミングなど多くのことを話し合い、多くの時間を共有しています。しかし実際は絶妙なツッコミ所満載なキャラの2人なので、本当の姉妹のようにくだらない話で爆笑してる時間の方が長いような気もします(笑)
喜入 一緒に姉妹を演じる実湖さんとは、お互いアイディアを提案して、毎日いろいろ試しながらリハーサルに取り組んでいます。「ここのセリフはこんな感じ?」というような話をすることも多いです。ひとつの感情を表すためにいろいろなアプローチを考えるのは楽しいですが、ただ楽しいだけで終わるのではなく、場面のひとつひとつを作り上げられるように演じるのが難しいです。シンデレラ役の恭子さんからはよく的確なアドバイスをいただきます。本番まで話し合いは続きそうです・・・!
スターダンサーズ・バレエ団の「シンデレラ」の見どころはどんなところでしょう?
松本 稔先生の多くの作品に共通することだと思いますが、どこか夢のようなお話でもあり、どこか漫画のようにコミカルであり、どこか現実で自分に起こり得るような心温まるワクワクを与えてくれる作品だと思います。
喜入 家族の愛を感じられるところが見どころに思います。あとは可愛いネズミさん達がとてもチャーミングで、また重要なキャラクターだと思います。
角屋 シンデレラのお父さんが他の版とは違った描かれ方をしていて、姉妹や母がシンデレラをいじめてしまうのにも背景があって。それがわかりやすく演出されていて、シンデレラが幸せになるということだけでなく、家族が幸せになるほっこりする演出が好きです!
クラシックバレエとは少し違う妖精の踊りもスタダン版ならではだと思います。
一番好きな場面はどこですか?
松本 ネズミさんのダンス指導のシーンも好きだし、迫力のある妖精のシーンも好きですが、1番はプロローグのシンデレラと王子様の出逢いが切り取られた場面です。キュンとします。
喜入 シンデレラが仙女に魔法をかけられてお城まで出発するシーンが好きです。音楽、振付、演出にわくわくします。
角屋 ネズミがシンデレラにダンスを教えてあげるシーンが好きです!
どの場面の音楽が好きですか?
松本 幕開きの冒頭の音楽が1番好きです。踊りの場面ではありませんが、現実の世界から一気に物語の世界に連れて行ってくれるような気がします。
喜入 2幕のお城のシーンでシンデレラと王子が出会い、踊り始めるワルツが好きです。何かが始まるような、そんなドキドキを感じます。
角屋 最後にシンデレラが王子と再会し、妖精が出てくる場面の曲が好きです。現実世界から妖精の世界へ引き込むような壮大な音楽とロマンティックな演出のエンディングが好きです。
演出の鈴木稔さんからはどんなことを指導されるのですか?
松本 ついついリアルなリアクションをしようとするあまり音が曖昧になってしまうことがあるので、お芝居のシーンもしっかりと音楽を聴くようにと言われています。自然な振る舞いと音楽との化学反応のようなものを大切にしたいと思います。
あとは、稔先生が何気なく姉妹を演じてみせてくれる時のセリフや表情は脳裏に焼き付けて忘れないようにしています。稔先生は女言葉や女役を演じるのがすごく上手いんです(笑)
喜入 一緒に演じる人たちと呼吸を合わせることと、ひとつひとつ丁寧に芝居をすること。間の使い方、目や表情の使い方についても指導してくださいます。
角屋 身体の限界の範囲まで使い切って踊ることや音楽に関すること。音楽については、「この楽器のこの音を感じて!」などと指導いただくこともあります。
「ここに注目してほしい!」というところを教えてください。
松本 舞踏会のシーンでシンデレラと王子様の出会いのサポート役をしている小さなお友達と、それを邪魔しようとする継母や姉妹との関係性が個人的には見てほしいポイントです。
喜入 1幕のお家のシーンで見られる家族の関係性が、2幕の最後にどのように変化するのか、注目していただいても面白いと思います。個人的には不器用な継母も思わず目で追ってしまいます。
角屋 妖精のシーンのクライマックスに向かって盛り上がるワルツは稔先生ならではの振付が詰まっているので、そのエネルギーを感じていただきたいです。
最後に意気込み、お客様へメッセージをお願いします。
松本 ずっと演じてみたかった役なので今からとてもわくわくしています。入団当初から温めてきた姉妹のイメージを盛り込んで目一杯楽しんで演じられるよう、そしてお客様にも楽しんでいただけるようがんばります。久々に上演されるシンデレラ、バレエ団一丸となってリハーサルに励んでいますのでぜひ劇場にお越しください!
喜入 美しいシンデレラと王子はもちろんですが、次々と現れる彼らの周りの個性的なキャラクター達を見ても楽しめると思いますので、ぜひ楽しみにいらしてください。お客さんに何かを伝えられるよう本番まで頑張ります。
角屋 クラシックではなかなかやらない振付も多いので、まだまだ踊り込んでいきたいです。どこかでいつもシンデレラを見守り続け、優しいけど強さのある、そんな仙女を本番までに深めていければと思います!