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【Diversity】「ステップテクスト 」Interview 小山恵美

2021年3月27日・28日に開催するトリプルビル公演『Diversity(ダイバーシティ)』。 
国内では当団のみがレパートリーに有する「ステップテクスト」「火の柱」「ウェスタン・シンフォニー」を上演いたします。
 
今回のブログでは、9年ぶりの上演となる「ステップテクスト」に当団初演時から出演を重ねたバレエ・ミストレス小山恵美のインタビューをお届けします!


 

「ステップテクスト」
20世紀のバレエ界に革命をもたらした鬼才ウィリアム・フォーサイスが生み出した、抽象的でありながらもドラマティックな作品です。出演者は、女性1名、男性3名のたった4名のみ。


                                        ©A.I Co.,Ltd.                          
 

ー当団での初演(1997年)に出演されましたが、印象に残っていることはありますか?

1月の公演だったのですが、指導者のアントニー・リッツィーさんが指導に来られたのは12月末でした。
公演まで時間がなかったため3日程度で振り写しを行い、ウォームアップの時間を含めて1日8時間程練習していたと思います。
とても濃厚な時間を過ごしました。凄まじい筋肉痛になったことも思い出の一つです。笑

 

ーこの初演はどのような経緯での上演だったのですか?

フランクフルト在外研修中に、当バレエ団創立者である太刀川瑠璃子先生から研修の成果としてフォーサイス作品を勧められたことがきっかけです。フォーサイスの秘書の方にアポイントメントを取り、バレエ団で上演したいことを伝えたところ、快く引き受けてくれ、1997年に国内バレエ団での初演が叶いました。
余談ですが、初演のときは「ステップテクスト」終了後、すぐに着替えて「ウェスタン・シンフォニー」第一楽章に出演したのですが、足が勝手に動いているような不思議な感覚でこれがランナーズハイ?と感じたことを覚えています。笑

 

ー女性1名、男性3名で踊る作品ですね。

私は身長が高いので、男性ゲストとパートナーを組む機会が多かったのですが、この作品ではバレエ団の男性達だけと上演できたので本当に嬉しかったです。年齢も近く仲も良かったので、お互いに遠慮することなく、4人で協力し合って乗り越えられた、と思っています。
3度目の公演では、ニューヨーク・シティ・バレエ団で長年プリンシパルとして活躍されていたベン・ヒューズさんが加わり、それまでとは一味違う「ステップテクスト」をお届けできたと思います。ベンさんは、今回のDiversity公演の演目「ウェスタン・シンフォニー」の振付指導者でもあります。

 

ー指導者アントニー・リッツィーさんは、今回も「ステップテクスト」の振付指導をしてくださっていますね。

トニー(アントニー・リッツィーさんの愛称)を一言で表わすのはとても難しいですが、アーティストだと感じます。
出会いは1991年のフランクフルトバレエ来日公演の時。当団元芸術監督である遠藤善久先生に声をかけていただいた食事会で初めてお会いしました。
リハーサルでのトニーは、こちらに伝わるまでありとあらゆる方法を何度でも試してくれる方です。フォーサイス作品に対しての愛を感じましたね。エキセントリックだと感じる一面もあり、急にポワントを履いて踊り出したことや私のポアントを欲しがったこともありました。笑

「ステップテクスト」初演の際、本番前の舞台稽古で「もう出来ない」と思うほど疲れてしまい、不安な気持ちで本番を迎えたのですが、本番が終わった後にトニーから「あんなに早いタイミングで出る人初めてだよ!」と驚かれたこともありました。(作品の中で自分で舞台に出るタイミングを決めるシーンがあるのです。つまりもっと呼吸が落ち着くのを待ってから出てもよかったのに、ということです。)

プライベートのトニーはというと、写真を撮るのが大好きな方です。彼が撮った写真をプログラムに使わせてもらったこともあるんですよ。(下記参照)今も様々なジャンルの踊りの映像や写真をよく送ってくれ、交流を続けています。

ー「ステップテクスト」で注目してもらいたいポイントはありますか?

「ステップテクスト」は観る方に自由に感じていただきたいので、何に注目してもらいたいということは特にありませんが、ダンサーの動きや音楽などフォーサイスの世界観に思う存分浸って、楽しんでいただければと思います。私個人としては、この作品は音楽を魅せる作品であると感じています。

 


「Diversity」公演では、渡辺恭子池田武志石川聖人林田翔平の4名がこの作品に出演いたします。
ぜひ、お楽しみに!

「Diversity」公演ページ

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