【Dance Speaks 2022】「Malasangre」作品紹介
今月26日・27日に開催する【Dance Speaks 2022】。いよいよ開催が迫ってまいりました!
演目は、5年ぶりの上演となる「セレナーデ」、2019年3月に14年ぶりに再演された際には大きな話題を呼んだ「緑のテーブル」、そして貞松・浜田バレエ団との共同制作による日本初演作品「Malasangre」(マラサングレ)。
馴染みのある2作品と並ぶ「Malasangre」。
どんな作品?と期待してくださっている方も多いのではないでしょうか。
カィェターノ・ソト Photo by HansGerritsen
本作品の振付カィェターノ・ソト氏はスペイン・バルセロナに拠点を置く世界注目の振付家。
舞台芸術の最高の権威を誇るロシアの「ゴールデンマスク賞」にもノミネートされるなど高く評価されている彼は、テクニカルで激しく、意外な展開を見せる振付作品を次々に創作し、世界中を驚かせ続けています。
その世界中を驚かせた作品のひとつである「Malasangre」。
本作は、ラ・ルーペという名で知られるキューバの歌姫、グアダルーペ・ビクトリア・ヨリ・レイモンドへのオマージュです。
ラ・ルーペは、フィデル・カストロ政権から逃れアメリカに渡り、歌手としての成功を収めたのち、ニューヨークでの貧しい一人暮らしの末、亡くなりました。
「Malasangre」はスペイン語で直訳すると「悪い血」。あまり良い意味を持たない言葉です。
ラテンの軽快な音楽とは裏腹に、偏見や先入観というネガティブな感情がもたらす影響力に焦点を当てた作品でもあります。
本作では、ラ・ルーペの数ある楽曲から「Fever」「Si Tu No Vienes」「Ya No Lioro Mas」「Guantanamera」の4曲が使用されています。
「Fever」では5名のソロ、「Si Tu No Vienes」は2組のパドドゥと1組のトリオ、「Ya No Lioro Mas」は女性デュエット2組、男性デュエット2組、そして最後の「Guantanamera」では出演者全員が登場します。
振付指導は、ドイツの数多くの劇場でダンサーとして活躍後、現在はカィェターノ・ソト氏の助手として世界中で活動されている新井美紀子さん。
新作製作におけるアシスタントや、各国のバレエ団にて作品を再演する際の振付指導を専任されています。
新井美紀子
美紀子さんのご指導のもと、熱いリハーサルが続いております!
最初から最後まで勢いが止まらない本作品。
ラ・ルーペの波乱な人生を物語っているような、全身で表現するダイナミックな動きにご注目です。
タイトルに込められた強い思いを、ぜひ劇場で感じてください。