バレエ団が取り組む「学校巡回公演」とは?
スターダンサーズ・バレエ団は、文化庁による「学校巡回公演事業」に2008年より参加しています。
バレエ団では「学校公演」と呼んでいるこの事業。バレエを初めて観る子どもたちに、「バレエっておもしろい!」と思ってもらえるよう、全力で取り組んできました。
当団は毎年秋から冬にかけて学校公演を行う場合が多く、今年も9月から12月にかけて全17校に伺うのですが、SNSなどで学校巡回公演の写真を掲載すると、このようなお声をいただくことがあります。
「学校公演は、学校からの依頼を受けて訪問を決定するのですか?」
「子供が通う学校にも来てほしいです。どのようにしたら来ていただけるのでしょうか?」
今回のブログではこれらのご質問にお答えする形で、文化庁による「学校巡回公演事業」をご紹介します!
小学校・中学校等において文化芸術団体による実演芸術の巡回公演を行います。
また、文化芸術団体が実施校へ赴き、鑑賞指導や実技指導のワークショップを行うことで、公演の鑑賞や児童・生徒との共演をより効果的なものとすることができます。
普段授業などで使っている体育館が、工夫次第で素晴らしい舞台へと変わっていく様子を体感することができます。
「学校巡回公演事業」公式webサイトより引用(こちらからご覧いただけます)
訪問校が決定するまでの流れ
私たちのような公演実施団体は、毎年秋になると来年度の公演実施に向けた申請をしています。
そして公演の実施を希望する学校も申請が必要になります。(例年12月頃に来年度の実施校を募集しているので、申請方法や必要書類については、巡回公演事業の公式webサイトをご確認いただければと思います!)
その後、巡回公演事業の事務局にて様々な条件を鑑みながら「公演実施団体」と「公演を希望する学校」のすり合わせが行われ、訪問する学校が決まるのです。
公演やワークショップの内容は?
スターダンサーズ・バレエ団では、2つのプログラムをご用意しています。
まずひとつめは、「シンデレラ」をお届けするプログラム。
公演前日の仕込みにより体育館のステージを拡張して劇場空間に近づけ、第1部は総監督小山久美によるお話とバレエのデモンストレーションを披露する「バレエってなに?」、第2部では学校公演バージョンにアレンジした「シンデレラ」を上演しています。
▼ こちらから仕込み風景のタイムラプス映像がご覧いただけます。
もうひとつは、チャイコフスキーの三大バレエを取り上げたプログラム「クラシックバレエの世界へようこそ」。
こちらは、へき地や離島にある学校や児童生徒数の少ない小規模校などを対象としており、バレエを鑑賞するだけではなく、一緒に動いてみたり、より体験的なプログラムになっています。
「眠れる森の美女」はバレエ団の本公演ではなかなか観る機会がない、レアな演目ですね!
どちらのプログラムも、公演のほかにワークショップも行います。
ワークショップでは、ダンサーの実演を間近で見て「言葉を介さなくても伝わるバレエの表現方法」に触れていただいたあと、一緒に身体を使った表現やバレエのステップに挑戦。
このワークショップで選ばれた児童・生徒の皆さんは、公演のときに舞台上で「ワルツ」を披露してもらったり、「シンデレラ」の一部シーンに出演してもらったりしています。
さて、普段あまりご紹介する機会のない学校公演について取り上げてみましたが、いかがでしたか?
学校巡回公演事業でこれまでに訪れた学校は200校を超えました。
この活動を通して出会った子どもたちにとってバレエが少しでも身近なものになっていることを願っています。そして文化芸術の種をまくこの事業を、今後も大切に続けていきたいと思います。