“現代のドガ” ロバート・ハインデルが美術を手掛けた「The Dance House」とは
「オール・ビントレー」で上演する日本初演作「The Dance House」。
日本では上演されたことがないためあまり馴染みのない作品ですが、舞台美術のデザインを手掛けたのがロバート・ハインデルだというと、その名前にピンとくる方もいるのではないでしょうか。
ロバート・ハインデルは、1980年代以降多くのバレエダンサーを描き、“現代のドガ”とも評されたアメリカを代表するアーティスト。スタジオでのひたむきなダンサーの姿を捉えた数々の名作を生み出し、ダイアナ妃や高円宮殿下が愛した画家としても知られています。
「The Dance House」は、中世ドイツの “死の舞踏”からインスピレーションを受け、エイズにより若くして亡くなった友人への哀歌としてビントレーが振り付けたバレエ。
1995年にサンフランシスコ・バレエ団で初演されましたが、そのセットと衣裳のデザインを担当したのが、ビントレーの友人であり、ビントレーのバレエを題材とした絵を多く描いていたロバート・ハインデルだったのです。
今回、ロバート・ハインデルの絵画を日本に数多く紹介している株式会社アートオブセッションのご協力を得て、ハインデルの絵画の貴重なコレクションデータをバレエ団のためにご提供いただきました。
その一部を、このブログでもご紹介いたします!
まず、こちらはロバート・ハインデルによる衣裳デザイン画です。
女性ダンサーの淡い水色の衣裳の中心を貫く真っ赤な線がひときわ目を引きます。
淡いブルーと対照的な“どす黒さ”が際立つ男性ダンサーの衣裳も印象的。
次のデザイン画は、1枚目とは異なりカラフルな色づかい。
「The Dance House」舞台写真と比較して見てみると・・・
そしてこちらは、自分のデザインした衣裳を身にまとったダンサーたちが踊る「The Dance House」を、ロバート・ハインデルが描いたもの。
衣裳デザイン画と実際に創られた衣裳、さらにそれを描いた絵画。
こうして見比べられる機会というのは、なかなかないのではないでしょうか。
まるで絵画に命を吹き込まれたかのような感覚すら覚える「The Dance House」。
3月16,17日の「オール・ビントレー」での上演は日本初演となります。
バレエファンのみならず、アートや美術ファンの方も必見です。