「Malasangre」拡大上演とは?
「Malasangre」は、シュツットガルトをベースにするダンスカンパニーGauthier Dance (ゴゥティエーダンス)により、 2013年に初演された作品。
日本では、貞松・浜田バレエ団とスターダンサーズ・バレエ団の共同制作により、2022年に初めて上演され、今度2回目の上演となります。
初演時のキャストに新しい顔ぶれも加わり、先月より振付指導の新井美紀子さんとのリハーサルが開始しました。
新井さんは、振付家カィェターノ・ソトのアシスタントとして、世界のカンパニーにおいてソト作品のステージングなどを手がけていらっしゃいますが、もともとはミュンヘンのバレエ団での同僚同士だそう。
カィェターノ・ソトさんが振付家として活躍し始めた頃、新井さんはすでにバレエの世界から離れ、ホテルやレストランにて働いていたそうですが、先行きを考えていたところに、前任のアシスタントが辞めるということで新井さんにお声がかかったのだとか・・・!
「とりあえずやってみよう」と始めてもう13年が経ちました、と貴重なエピソードを教えていただきました。
さて、今回の「Malasangre」は、前回上演時から、新たに2曲を追加しての拡大上演となります。
1.「Oriente」※追加
2.「Fever」
3.「Si Tu No Vienes」
4.「Ya No Lioro Mas」
5.「Estando Con Tigo」※追加
6.「Guantanamera」
実は、「Malasangre」に使われる楽曲は本来7曲あり、7曲の完全版は「Malasombra」(マラソンブラ)として上演されています。
当初、全4曲による「Malasangre」が振り付けられましたが、その後、あるカンパニーから長いバージョンを創ってほしいと依頼され、3曲を追加して全7曲となり作品タイトルも「Malasombra」と改名されたとのこと。つまり、完全版であれば「Malasombra」、6曲以下であれば「Malasangre」となるのです。
(ちなみに、「マラサングレ」は直訳すると「悪い血」、というのはこれまでもご紹介してきましたが、「マラソンブラ」は「悪い影」となります。)
今回追加される「Oriente」「Estando Con Tigo」では、女性、男性ともにソロで踊るパートが多く加わるとのことで、前回にも増して見応えのある作品となりそうです。
高度な身体能力やリズム感に加え、思い切り、勢い、迫力といった性質がダンサーに求められる「Malasangre」。
クラシック作品で見せるのとはまた一味違うダンサーの魅力をご覧いただければと思います。