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誕生から23年。バレエ「ドラゴンクエスト」

※このブログは、2017年4月7日に公開した記事を加筆修正したものです。

コンピューターゲームソフト「ドラゴンクエスト」が生まれたのは1986年。
プレイヤー自身が物語の主人公になるロールプレイングゲーム(RPG)というジャンルは今ではお馴染みですが、アクションゲームがほとんどであった当時はプレイヤーたちに大きな驚きを与えました。シリーズを重ねるごとにファンが増え、今や国民的ゲームとなっているドラゴンクエスト。2016年にゲーム生誕30周年を迎えたことは、多くのメディアでも取り上げられました。

そのドラゴンクエスト(DQ)がバレエ作品としてスターダンサーズ・バレエ団(SDB)のレパートリーに加わったのが1995年。なんと今年で23年になります。
きっかけは、音楽評論家の佐野光司さんと音楽家のすぎやまこういち先生にDQをバレエ化してくれないか?とのお話をいただいたこと。

200402.DQ.116(c)Takeshi Shioya〈A.I Co.,Ltd.〉

白の勇者:西島千博 武器商人:高谷大一(2004年)

元々DQファンだったSDB振付家の鈴木稔はこれはぜひやりたい!と飛びついたといいます。しかし、振付や演出、構成段階ではなかなかスムーズに進まなかったとか。

ゲーム全般に対するアンチな意見も多くあった当時、純粋なゲームの世界を描くか、現実世界からみるゲームをテーマにするか、作品の方向性について様々な葛藤があり制作チームは何度も議論を重ねたといいます。

迷いが生じ、すぎやま先生に「やめます」と辞退を申し出た鈴木に対して、すぎやま先生はその迷いを吹き飛ばすかのように「くじけるな!」と言ったそうです。周囲の意見は気にしなくてよいと励まされ、その結果今のDQバレエが生まれたのです。

 

初演時にはゲームのコスチュームを着て劇場にいらっしゃるお客様も多く、DQの影響力を思い知ったと話すのは、総監督の小山久美。
テレビ番組「進め!電波少年」のアポなし訪問で、タレントの松村邦洋さんが大きなスライム(※)をかぶって「僕が舞台に出てもいいですか?」と舞台稽古中に訪ねてきたというのも、そんな影響力を表すエピソードです。

※バレエ「ドラゴンクエスト」にスライムは登場しません。

 

バレエ「ドラゴンクエスト」の魅力のひとつは、その音楽。DQファンはもちろん、誰もが一度は耳にしているあのファンファーレで幕が上がります。フィナーレで使われている『結婚ワルツ(V)』は、バレエの雰囲気に合わせてすぎやま先生がアレンジしてくださり、バレエのためだけに作られたオリジナル曲もあります。ゲームの音楽と聞き比べてみるのも楽しいかもしれません。

201402_413.©takeshishioya(A.I Co.,Ltd.)

酒場の女将:天木真那美 白の勇者:吉瀬智弘(2014年)

 

これまでに、国内外合わせて20回以上の上演を繰り返してきたバレエ「ドラゴンクエスト」。
2017年には、英国人デザイナー、ディック・バードさんのデザインにより舞台装置と衣裳を一新。振付にも手を加え、さらにパワーアップしました。

新しく製作されたモンスター(2017)©Kiyonori Hasegawa

 

武器商人と王女の友人たち(2017)©Kiyonori Hasegawa

観たことがある方も、初めて観る方も、子供から大人までが楽しめる舞台を、ぜひ劇場で体験してください!

公演の詳細、チケット情報はこちらから

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